コロナワクチンの副反応が話題になっています。
ワクチンは一般には安全性の高い注射ですが、リスクが全くないわけではありません。
ワクチン接種された犬のごく一部は副反応を発症します。顔の腫れ、じんましん、体の痒みは比較的良く遭遇する反応で、接種後数時間後に見られます。待合室で会計待ちをしているくらいの時間で急な呼吸の乱れや虚脱を示すこともあります。翌日以降に見られる症状としては嘔吐や下痢、食欲不振などが有ります。発熱や注射部位の痛みを起こすこともあります。
最も怖いのは、注射後15分以内に発生するアナフィラキシーショックで、急な虚脱、低血圧です。
ワクチン接種は午前中の予約にさせていただいています。副反応の発生が夜半になるのを防ぐ目的もあります。また、注射後会計までの時間が速やかではないこともこのような反応が発生するのを帰宅途中の車内で発生するのを防ぐ目的でもあります。
ワクチンの反応を抑えるため、免疫獲得に障害を与えない抗アレルギー薬を2日程度服用してもらう処置を全頭の犬でお願いしていますが、万が一問題が発生した場合や、心配に思う状況が出た場合は、迷わず連絡してください。
以前にワクチンに反応が出たことがある場合は、ワクチン接種の前に抗ヒスタミン薬やステロイド薬で前処置してから、預かりでワクチン接種をしています。これにより反応の深刻さは軽減されます。
免疫系へのストレスが心配な場合は、混合ワクチンを分解し、生ワクチンと不活化の液状ワクチンを2回に分けて注射します。もちろん狂犬病のワクチンとの間隔も1か月ずらします。
免疫ができているかどうかを調べて、免疫があるときは翌年まで延期させることもできます。力価の検査はワクチンと同程度の費用がかかります。