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猫の不適切な排尿・獣医学的な問題

猫の下部尿路疾患(膀胱から尿道への尿が出てくる通路に関する病気)の原因はいろいろですが、
全て同じ症状を引き起こします。

症状は次のようになります。
・トイレ以外のところで排尿する
・排尿するために緊張している
・少しの量しか出さない
・排尿回数が増える
・ピンク色の尿

下部尿路疾患はいくつかの病気の総称になっているため、真の原因を突き止めるために(鑑別診断)、検査が必要になります。
1)尿石症:小さな石でもエコー検査が役に立ちます。膀胱の他、腎臓や尿管に見つけられることがあります。主な石はシュウ酸カルシウム結石かまたはストルバイト結石です。治療方法が異なるためにどちらの石なのか、さらに突き止める必要があります。これには尿検査が必要です。
2)細菌性膀胱炎:腎機能が低下してきた高齢猫や、糖尿病を持つ猫によく見られます。一般的な尿検査に加え、膀胱内で繁殖している細菌の種類を知り効果的な抗菌薬を探し出すために、細菌培養検査が必要になります。
3)特発性膀胱炎:エコー検査で石も認められないし、尿検査で結晶や細菌も見られないとき、また、オス猫で尿道閉塞が見られないときは特発性膀胱炎です。下部尿路疾患の大半はこの病気で、原因はさまざまなストレスです。

尿石症は石を摘出するか溶解させるかの治療ですし、細菌性膀胱炎は抗菌薬による治療が主になりますが、特発性膀胱炎だけに限らず、環境改善も含めたマルチモーダルな治療が必要になります。炎症を鎮めるために消炎鎮痛薬、過敏になっている膀胱筋を鎮める鎮痙薬、血管に作用する止血剤などのほか、気持ちを穏やかにさせるサプリメントやフェロモン製剤なども有用です。おやつを含めた食事変更もお願いすることになります。

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