犬や猫も睡眠不足になるとひとと同じように不機嫌になることが分かっています。睡眠不足と睡眠パターンの変化は、慢性的な痛みに寄るところが多く、この状態が継続すると、痛みのある動物にも怒りっぽくなった動物に相対する飼い主さんにもストレスが増していきます。
慢性的な痛みの三大原因は関節症、脊椎症、歯周病で、高齢の動物に良く認められる病的状態そのものです。加齢により、身体的な問題とともに認知機能の低下も見られるようになり、表面的には似たような兆候を示しますが、片方の存在がもう一方の問題を悪化させる可能性があります。動物の痛みはストレスが大きく、自由に動けないことに対するマイナスの感情が吹き出すことは、自分自身に置き換えてみるとわかりやすいことかと思います。
動物を定期的に拝見させてもらうと、早期に関節痛がある所見を見つけ出せる可能性があります。痛みから血圧が上昇し、それが腎臓や眼に影響を及ぼすこともあります。はっきりした病変がX線の画像上に認められない時期でもサプリメントなどの利用で動物の苦痛を取り除いてやることができます。関節に配慮したもの、神経保護作用のあるもの、抗酸化作用で炎症と痛みを鎮める効果が期待できるものなどあります。是非診察にいらしてください。
「ちょっとおかしい」くらいの段階で動物のために時間を割いて病院に来てくださること、これこそが飼い主さんの愛情です。