
鼻と肉球は特殊な皮膚で軟らかな組織です。ここが厚くなってひび割れた状態は「角質増殖症」と呼ばれ、縁が羽毛のようにばさついてくることもあります。
足裏が硬くなると犬は足を引きずって歩くようになります。
角質増殖症は遺伝的な素因がありラブラドールやゴールデンレトリバー等によく見られます。特発性(原因不明)は10歳を超えたシニア犬に多く発生します。亜鉛欠乏性皮膚炎や、落葉状天疱瘡などの免疫介在性疾患(皮膚のさまざまな成分に抗体を作り細胞が分裂して皮膚に水疱ができる病気)と関連していることもあります。
血液検査や皮膚生検で特定した後、確定すれば、食事に亜鉛を加えたり、免疫抑制剤を投与したりして治療を行います。
局所のケアは犬の不快感を軽くします。保湿剤、軟化剤で患部をできるだけ軟らかくなるように保ち、ひび割れを防ぎます。