HOME

5月の展示～マダニ予防について

愛知県ではじめて猫のSFTS感染症が見つかったとの報告がありました。ブログでもご紹介していきますが、マダニに媒介されて発生するSFTS感染症は人と動物に共通の恐い病気です。

マダニの生活史を壁で紹介しています。野生動物に感染するマダニがSFTSウイルスの感染を受けると、そのマダニを介して野生動物や家畜、伴侶動物も被害を受けます。
マダニに咬まれて感染を受けるルートのほかに、感染した動物の体液に触れることから感染を受けるルート、さらに感染した人から人への感染ルートも報告されています。
SFTS感染症は感染した場合の重症度が高く、また致死率も高い恐い病気です。
そして、初期のCOVID-19のように3つの「無い」が続いている病気です。
1、すぐに診断はできない：感染を確認する（診断）のに、大きな施設へ検体を送り、RT-PCR検査の結果を待たなくてはいけない（まだ院内ですぐにできる検査キットができていない）のです。
２、原因を除去する治療法がない：ウイルスを殺す特効薬（抗ウイルス薬）がないのです。ひたすら対症療法を施して、自力の免疫力で頑張ってもらうしかない状態です。だから免疫力の衰えた高齢者の致死率は高いです。猫はもっと悲惨です。
３、予防できない：ワクチンはまだ開発されていません。ひたすらマダニに咬まれないように工夫するだけです。
そのようなわけで、一番有効な予防はノミトマダニのための予防薬を投与することです。犬には飲ませる薬とスポット剤があります。猫にはスポット剤が主流です。山間部、里山、市街地の境界がなくマダニが普段散歩する草むらのある道や、緑が豊かな公園にも存在します。しっかり予防して外出してください。
詳しくは院内の壁に厚労省のポスターを、また展示スペースにいろいろなパンフレットを置いてありますので、ご覧ください。