犬の飼い主さんなら誰でも知っているフィラリア症。病気予防のために必ず春の血液検査を受け、毎月予防薬を投与してくれている、あれがフィラリア症予防です。けれど、今、フィラリア症のリスクは高まっています。こんなに予防に全力を尽くしてきたのに!
フィラリアは蚊によって運ばれる心臓内寄生虫です。気候変動によって全国の気温と湿度が上昇しています。それによりかの繁殖は増加、蚊が糸状虫の感染子虫を運ぶ可能性が高まっています。いつまでも暑さが残る秋、そして寒さが穏やかな冬。通常の寒さで蚊が死ぬことがなくなり、活動期間が長くなってきています。 こうした対策として私たちができることは、蚊の発生がピークになる時間帯には屋外飼育の犬を屋内に入れてやり、また屋内飼育の犬も外にでないようにすることです。ただ、この時間帯は夜明け頃と夕暮れ時。どちらも普通に生活していては難しい時間帯です。 さらに、水が停滞している庭の植木鉢などは蚊が発生しやすいので取り除いて欲しいのですが、残念なことに近くにどぶ板のない下水が滞っている場合の対策はできません。 対応できるのは動物側の防御態勢だけです。 毎月1回の予防薬は遅くても今月中に始め、1年の終わり12月まで間違いなく1か月に1回あたえてください。忘れてしまいそうだという飼い主さんのために、12か月間予防効果が持続する注射薬を選択することも可能です。 猫の場合は、内服薬の投与ではなく、ノミ予防を兼ねたスポットオンタイプの薬です。こちらも1か月ごとに投与します。3か月効果がある薬もあります。忘れにくいのはどちらなのか、ご家庭によって選択しに幅があります。 備えておけば憂いはありません。犬も猫も、まだフィラリア予防が始まっていないという方、今日から始めましょう。