広いところで遊ばせてやっても「来い」と言ったときに戻ってこないんです。
ボール遊びをしていても「よこせ」とか「出せ」と言って渡してくれたことがない。
このような「困ったちゃん」な話はよく聞きます。
運動が足りていない犬は、自由になったときに、ここぞとばかりストレスを発散させ、自由に遊べる状況を謳歌するため、呼んでもなかなか戻ってきません。つい叱りたくなるし、二度と自由に放して遊ばせてやらないぞ、という気になるものです。しかし、日ごろ犬を退屈にさせ、暇にさせてしまったことを犬に詫びることがあっても叱るべきではありません。
またボールをくわえて遊ぶことを楽しんでいるのに「出せ」と言われても、夢中になって遊んでいるときにはその命令に応じることはありません。いきなり「出せ」と言われていも、ゲームに昂じた子供からゲーム機を奪い取るのと同じで、相手を怒らせるだけです。無理に口をこじ開け出させようとするものなら、次から決して「もってこい」遊びには加わらなくなるのも当然のことです。
呼び戻しを成功させるためには、少し練習が必要です。ロングリードを使い、リードの距離は短くし、「マテ」のコマンドを与えます。それからリードを引き寄せながら「コイ」のコマンドを使い、膝もとに来たらうんとほめ、ご褒美を与えます。リードの距離を徐々に長く伸ばしていき「マテ」と「コイ」、そして戻ってきたときの「ヨシ」を大げさにしていきましょう。「呼ばれて飼い主のもとに戻るととてもいいことがある」ことを学習させるのです。
ボール遊びも同じです。ボールに替わるもっと嬉しいものと交換することで、「ボールを渡すと褒められる」「もっといいものがもらえる」という良い印象付けをしていくと成功します。
犬は飼い主さんと遊ぶのが大好きです。飼い主さんも犬との遊びを存分に楽しみながらしつけをしてください。