歯周病はさまざまな問題を引き起こします。歯石は細菌の長年の蓄積で、犬が物を噛むたびに歯周菌が血流に乗って全身を傷つけています。さらに歯周病では常に歯の痛みが犬を襲っています。歯周病をそのままに放置するとあごの骨を溶かす(骨折する)ことになります。
予防方法がいくつかあります。
1。歯を磨きましょう。
子犬の時から始めると犬は習慣になり嫌がることもありません。
2。成犬になってからでも始められます。
唇付近を触ることから始めます。指から歯磨きペーストを与えます。ペーストを舐めさせながら指で歯に触られることを犬に慣らしていきます。ペーストを追加しながら指磨きを進めます。犬の喜ぶペーストを探しましょう。
3。指になれたらはぶらしを使います。
指磨きができるようになったら、指を歯ブラシに変えます。ブラシの先が丸くなっていて歯茎を痛めないものを使います。上顎の犬歯から始めて同側の奥歯へ、また犬歯に戻ってきて前歯へ。そこから反対側の犬歯、そして奥歯へと進めます。途中で何度もペーストを追加します。歯の裏側や下の歯は上達してきてからでOK。まずは上顎の歯を磨くことを目指してください。
4。歯磨きガムは歯磨きの代用にはなりません。
おやつ代わりに「歯磨きガム」と書かれた製品を与えて安心していてはいけません。硬質の蹄や耳軟骨ジャーキーなども同様で、歯や歯茎を傷つけることはあっても、歯磨きをしたことにするわけにはいきません。するめやたくあんを噛んで歯磨きをしないことが許されますか?
5。歯磨きガムには正しい使い方があります。
VOHCマークの付いたデンタルガムは歯磨きを目的に作られ、歯科専門医たちが認可したガムですが、正しい使い方があります。ガムを手にとってすべての歯でカミカミするよう誘導していきます。(犬任せに与えるのではありません)飼い主さんと犬がガムを取り合いになるようではしつけ面からもおすすめはできません。
6。口腔衛生のための商品があります。
口腔内の細菌数を減らし、歯垢を付きにくくする商品があります。食後に舐めさせるのが効果的です。
7。定期歯科検診を受けましょう。
健康診断のときは歯科衛生の状態をチェックしています。治療に進むべき状態のときは治療をお勧めしています。歯の衛生状態は1年後にはだいぶ変化しているので、半年に1回は歯科だけの検診を受け、必要な治療がすぐに受けられるようにしてください。