犬の鼻は息を吸う、匂いをかぐなどのほかに、涙管を通して目から過剰な涙を排出したり、発汗によって体を冷やすのにも役立っています。スニッフィングという匂いをかぐ動作は環境内の情報収集の役目も果たしていますが、スニッフィングの最終段階で犬は鼻の頭を舐めて情報処理をしています。
鼻の頭が乾いていて温かいときに病気を疑われる飼い主さんは多いですが、一概に乾いているから病気ということはありません。しかし鼻の頭に関してはいくつかの病気があります。
鼻にひび割れを起こしたり、舐めすぎて黒い鼻鏡が無くなり鼻腔が直接見えるようになる病気は、自己免疫性疾患の疑いがもたれます。パグやブルドッグなどの短頭犬では日焼けして鼻の皮膚がはがれたりひび割れたりすることが多いですが、この犬たちは上手に鼻の頭を舐めることができないので乾燥してしまいがちなところから来ているようです。病気ではありません。
濡れすぎている鼻はアレルギーに関連して鼻水が出ている可能性があります。犬が気にして舐めたりこすったりする行動が頻繁になってくると赤く腫れてきます。
一部だけ黒い色素が抜けてピンクのベリーが付着しているように見えるとき、肥満細胞腫などの腫瘍の可能性があります。