動物の腫瘍
今月はNational Pet Cancer Awareness Month（ペットのがん啓発月間）です。動物の腫瘍について知っておきましょう。
腫瘍は高齢のペットの死因の第１位で、犬の４頭に１頭が、猫の５頭に１頭が生涯のうちに腫瘍を発生します。化学療法や高度な手術が動物の腫瘍を克服するのに役立ちますが、保険会社によると治療費は最も高額です。
腫瘍の徴候は、傷が治らない、体重減少、食欲低下、身体の開口部からの出血や分泌物、悪臭、継続的な跛行（不自然な歩行）、成長する固まりです。
腫瘍診断のために行われる検査は、一般的な血液検査、尿検査、直腸検査、X線検査、超音波検査のほかに、細胞診、生検（組織の検査）、細胞の遺伝子検査、さらに画像検査のCTやMRIも含まれます。
腫瘍の治療は単に「切って取る」だけだった時代から、化学療法剤や放射線療法と組み合わせた外科療法になっていますし、また一般的な抗がん剤治療は免疫療法（がん細胞と戦うために免疫系を抑制するがん細胞から出される信号に対抗し身体の自然防御を高める抗体を使う生物学的治療）も使われるようになっています。これらは栄養療法も平行して行われるし、希望されれば代替療法、さらに痛みの緩和などを行う緩和療法を選ぶこともできます。
早期発見のためにやって欲しいことは、年に１回の健康診断を受ける、健康な体重を維持する、避妊手術または去勢手術を受ける、高品質のフードを与えるなどです。
獣医療が進化しているので選択に迷うかもしれませんが、重大な局面にぶつかったときは、犬や猫の最大の幸福のために治療法をいろいろ検討してください。
