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薬剤耐性とは

抗菌薬(抗生物質)は1940年代から使われるようになってきました。以来、人医学にとどまらず獣医学でもその恩恵を受けています。けれど細菌が薬に対する抵抗性を獲得するのにそう時間はかかりませんでした。薬剤耐性は私たちにとっても公衆衛生上の脅威になっています。

薬剤耐性の原因のひとつに、ペットへの抗菌薬の不適切な使用があります。処方された薬を処方通りに与えず、投与量を減らしていたり、休んだり投与したりを繰り返してみたりすることは、細菌に耐性の遺伝子を作り出す手助けをする結果になります。それから、ペットとの親密な関係も原因になっていて、薬剤耐性菌は人と動物の間を移動することができます。
よくある耐性菌には「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」「ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)」「基質拡張型βラクタマーゼ産生菌(EBSL)」などがあります。複数の薬剤に耐性を示すやっかいな菌です。
薬剤耐性と戦う上で飼い主さんにして貰いたいことがあります。
①処方された抗菌薬の全量をペットに与えて貰うこと
②細菌培養と感受性検査の実施に同意していただくこと(経済的な負担がかかります)
③テストの結果から好みの剤形を選べないことがあるのを理解していただくこと
などです。
耐性菌の問題は、「ペットに効く薬がない」が「未来の私たちが使える薬がない」につながります。

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