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猫の非潰瘍性角膜炎

角膜は目の前部にある透明な外層です。透明な細胞が多数重なって「角膜」という組織を作っています。非潰瘍性角膜炎は角膜潰瘍を識別するのに使う用語です。

非潰瘍性角膜炎では、角膜表層が破壊されないため、色素剤で染めても角膜の下層に色素が入らないのが特徴です。
一般的な角膜炎は猫同士の喧嘩によりか角膜に傷がついて発生することが多く、色素剤で検査をすると表層から角膜内部に色素が入り込みます(潰瘍性角膜炎)。
非潰瘍性角膜炎では、角膜の一部が壊死し色素沈着したり、白っぽい膜が隆起して表面が荒くなっていたり(このときは角膜の潰瘍を発生することがあります)、角膜組織に血管が浸潤したりという特徴を持ちます。様々な目の不快感から、猫は目をつぶっていることが多いです。
原因はヘルペスウイルスですが、ヘルペスウイルスの感染そのものの影響ではなく、ウイルス抗原に対する免疫介在性反応と考えられています。長期にわたって角膜への刺激が起こっています。
点眼液に対する反応が鈍いことがあり、外来(自宅での点眼治療)で不十分な場合には入院処置が必要になることがあります。持続的な目の不快感があるとき、外科的な治療を必要とすることもあります。
視覚障害や失明という深刻な事態にならないように集中的に治療し、寛解が得られた後も、定期的なフォローアップ検診が必要です。

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