
厳しい冬、犬が咳をしたり鼻水をたらしていると風邪を引いたのかと心配するかもしれません。犬も風邪を引きますが人の風邪とは異なります。
犬や猫の上部気道感染症の症状は、鼻づまりと鼻水、鼻呼吸がしにくい、咳が出る、微熱、涙目、くしゃみ、元気がない、食欲がなくなる等です。
こうした症状を現す呼吸器疾患には、犬ではジステンパー、パラインフルエンザ、アデノウイルス2型、犬インフルエンザ、犬コロナウイルス、ボルデテラなど、猫ではカリシ、ヘルペス、クラミジアなどのウイルスや細菌の感染症があります。
気道感染症のほとんどはワクチン接種で予防が可能です。ですから毎年接種しているワクチンに守られているので、うまく免疫が付いていない子犬除いて発生はまれです。猫の気道感染症は外猫を中心に秋口から春先まで感染の流行が見られ、外出する機会が多い猫を中心に軽い感染(結膜炎など)のリスクが高まります。
犬で、呼吸器感染症のように思われている咳の中には、気道軟化症といった感染が原因ではないけれども気道の器質的な変化が原因になって呼吸器症状を出す病気や心臓病があります。歯根から鼻に抜け道ができると鼻水や膿性鼻汁が出ることがあります。
ワクチン接種で感染症を予防することと、呼吸器症状を示す疾患が風邪以外にもあることを知って、おかしいことが分かったら直ぐに受診してください。