
足裏が赤く、痒がっている犬は多く見られます。これは足底皮膚炎です。足底皮膚炎は、足裏の皮膚の炎症や感染症です。特定の病気ではなく、いろいろな獣医学的問題から生じる症状です。
多くはアレルギー性皮膚炎が原因になっています。自己免疫性皮膚炎になっていることもあるし、細菌や酵母菌の感染、ニキビダニ(皮膚の寄生虫)のこともあります。外傷や腫瘍ができていることもあります。
足裏といえど、皮膚ですので、診断はそのほかの皮膚疾患と同じように実施します。少しの皮膚を削り取ってそのまま、また表面のじくじくを採取して染色後に顕微鏡で観察します。
足底皮膚炎の治療は根本的な原因によって大きく変わります。治療効果を高め、回復の予後を改善するには、できる限り集中して治療するべきです。局所を頻繁に洗うこと、全身の薬浴頻度も上げること、さらに抗アレルギー薬や抗菌薬などを投与することや、アレルゲンとなる可能性がある物を可能な限り排除するようにするのも必要になってきます。
早期に適切な治療を行っても再発することは多いです。全身を良好な状態で維持することが大切です。良くなっても薬浴を怠らないようにしましょう。皮膚が肥厚して厚みが出て、一つ一つの指が腫れて太くなると、足先全体はクリームパンのようになってしまいます。慢性炎症は皮膚の腫瘍化を促すため要注意です。
定期的に足の裏の毛を刈り、きれいな状態を保つようにしてください。保湿もかけましょう。