アトピー性皮膚炎は気温と湿度の高まる季節に悪化することが多いです。
かゆがる部位には特徴があって、だいたいは身体の内側と地面に向いている方です。目の周り、口唇部、のどから首の下側、腕の内側、おなか、ふとももから膝にかけての内側、足の裏、指の間、肛門周りが注目してほしい場所です。
内服薬にシャンプー療法を併用し、概要の塗布剤を使うときもあります。皮膚炎がひどいときは週に2回ほど洗います。良くなってきても2週に1回は必要です。同じアトピー性皮膚炎でも、犬によって最適なシャンプーは異なります。皮膚の状態を診て、薬用シャンプーを処方します。
シャンプー方法にも気遣いが必要です。適度な濃度に薄めたシャンプー液を泡立ちネットなどでしっかり泡立て、一度ぬらした被毛に泡をつけて洗います。シャンプー剤と接触している間は薬剤が皮膚に付着している時間です。悪い場所から洗い始め少なくとも10分は泡状態を維持させるように洗います。短時間では薬効が十分届かないかな、と思いながら洗ってもらえるとうれしいです。
すすぐ湯の温度や、タオルドライ後のドライヤーも熱すぎると痒みを促してしまいます。風を当てすぎて皮膚を乾燥させすぎないことも大切です。ドライスキンがあれば保湿剤を使う必要があります。
そのほかアトピー性皮膚炎には複合的な管理が必要です。食餌は新奇タンパク食や低アレルゲン食を食べないといけないこともあり、これは食餌由来のアレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎とが重なっていることがあるからです。この場合、おやつもアレルゲンカットのトリーツだけにします。敷物の素材に注意をしたり、部屋に空気清浄機を置いて環境管理に役立てる必要もあります。そして喫煙は犬のいないところでお願いします。