6月は重症筋無力症の啓発月間です。
この病気は筋肉に神経末端からの伝達物質(アセチルコリン)が充分に届かず、筋肉の収縮が発生しなくなる病気です。
筋肉は心臓の筋肉、内臓の筋肉、そして随意に動かすことができる手足や顔の筋肉(横紋筋)がありますが、侵されるのは身体を動かす横紋筋です。後の筋肉に影響が出るのかによって、最初の症状はさまざまですが、運動機能に問題が発生した後は、食道の筋肉に影響するために、吐き戻し行為が始まります。高齢のために運動を嫌うようになった、吐くことが多くなったけれどご飯は食べられる、ということのために発見が遅れてしまうこともしばしばです。
病気を予防することはできませんが、こんな病気があることを知っていれば症状を誤解することなく捕らえられ、早期発見に繋がるのではないかと思います。「うちの子には関係ないかもしれない」病気の可能性もありますが、それとなく意識していてもらえるとうれしいです。
重症筋無力症で必ず発生してくる「巨大食道症」のケアについてもファイルしています。巨大食道症は重症筋無力症以外の病気によっても発生しますが、食事に対して特別なケアが必要です。
また、単に「吐き戻し」だと思っていることの中には、胃食道逆流によって「逆流性食道炎」を発生させてしまい、完治までに手間取ってしまうこともあります。重症筋無力症による巨大食道症では「吐出」と言われる事象が発生していますが、よく似ている逆流性食道炎についてもファイルを下げておきますのでご覧下さい。おそらく、こちらの方が多くの方に参考になると思われます。
他の動物との接触をさけるため、中型~大型犬の引き綱は短くしてご来院ください。
猫はびっくりして逃げてしまわないように、キャリー(通院ゲージ)、または洗濯ネットなどに入れてご来院ください。
いつも愛犬・愛猫の様子を見てくださってる方と違う方がお越しくださる場合は、病状経過が分かるような資料・メモをご用意ください。
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