適切なワクチン接種は感染症のリスクを上回りますが、ワクチンによる副反応がないわけではありません。
予防接種による副反応を知っておきましょう。
なんとなくだるそうな感じに見えることがあります。いつもがオンの状態なら、今はオフになっているような感じです。
軽い発熱があるのかもしれませんが、検温しても平熱レベルのこともあります。身体の免疫系が活発になっています。
局所の腫れや赤みが発生することもあります。軽い疼痛が見られることもあります。これは大きなしこりになることはありません。免疫細胞が集合しているだけです。
目の周り、口唇部がむくんで腫れることがあります。アレルギー反応です。弱毒された病原物質を培養するために使った基質やウオッシュに使われた薬剤などに身体が異物反応を起こしていると考えられます。嘔吐や下痢などの消化器症状が発生することもあります。
命を脅かす可能性があるアナフィラキシー反応は、接種後すぐに発生します。顔面の痒み、身体のじんましん、呼吸が浅く速くなる、そして身体から力が抜ける、などの症状です。時間的には会計待ちの待合室で起こります。すぐに対処しなければいけない事態です。オカシイ!と感じたら大声を上げてください。
なお、ワクチン後にこのような反応が見られたことがある場合は、次回の接種前に必ずお伝えください。
ワクチン接種後の不快な反応に対応できるように、ワクチン接種は午前の診察中にお願いしています。また微妙なアレルギー反応を防ぐために、接種前(±後)に抗アレルギー薬の投与をお願いしています。預かり診療として、経過観察を病院で行うことも実施しています。
アレルギー反応を起こしたことがある場合、アナフィラキシーを起こしたことがある場合はもちろんなのですが、抗体価測定を行い十分な力価が身体にあることが分かったら、ワクチンスキップも可能です。狂犬病予防注射と違って、愛犬のための混合ワクチンは任意の接種です。どうしても接種しなければいけないことはありません。抗体価によって、コアワクチンの接種予定日をいつにするのか検討することにしています。