心臓バイオマーカー
身体の状態や病気の有無を血液や尿の検査で知ることができるのが、バイオマーカーです。
ナトリウム利尿ペプチドは血液検査で心筋に負担がかかっていないかどうかを知ることができる検査項目です。
ANP、BNPは心臓に負担がかかったときに心筋から出て、心臓を保護する働きをするホルモンです。NT-proANPやNT-proBNPはANPやBNPが仕事をする時に切り離された端っこですが、これらの測定で心臓が拡張しすぎていないかを推し量ることができます。うっ血性心不全や心筋症を診断したり治療反応を調べるのに使われます。
犬に多い僧帽弁閉鎖不全症は、初期に左心房が拡張するので、心房筋の過伸展を反映するANPをもとに判断できるとより早期に異常を知ることができます。猫に多いのは心筋症です。心筋症は心室筋が肥大するのでNT-proBNPが様子を知るのに適しています。院内検査室で簡易スナップで犬のNT-proANP、猫のNT-proBNPの高値を知ることができます。
健康診断の一環に心臓バイオマーカーを加えることで、心臓に負担がかかっているのかどうかを知ることができます。年齢や、聴診で心雑音やリズム不整などの異常が聴取された場合を中心にオプション追加をおすすめしています。早期発見と早期治療で心不全になるのを予防しましょう。
