地域猫活動

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  • 地域猫というのはどのような存在でしょうか

    地域猫は、野良猫とも呼ばれていますが、ペットとして飼育されている猫と同じ猫です。彼らは通常私たちに社会的になじんでいないため、飼育されていません。地域猫は私たちの近くの屋外で生活しています。もともと猫は歴史のほとんどの期間、人と一緒に屋外で生きてきました。

    今日ではペット猫の多くは屋内で飼育されていますが、屋外にだけ住んでいる所有者のいない猫も多数存在すると推定されます。彼らは餌が十分にある環境下では、コロニーと呼ばれるグループで住んでいて、そのコロニーのメンバーと強い社会的絆を持っています。餌の量が少ないと1匹で生き延びようとして個別行動をとります。

  • 地域猫援助活動―餌やり

    地域猫がひもじい思いをしないように食餌の援助をする場合も、ルールを守らないと猫の数を増やすことになり、愛されるべきはずの地域猫は近隣の住人から嫌われる存在になってしまいます。

1.餌は食べきるまで見守ります。30分以内に食べきれないものはその場に残さず、キレイに片付けておしまいにします。食餌はドライ、ウェットどちらでもかまいません。残しておかなければ昆虫が寄ってくることもないし、腐敗して悪臭を漂わせることもありません。
2.夏は風通しの良い日陰に、冬は寒さよけのある場所に食餌場を設定します。日照時間中の、決まった時刻に行います。
3.これを継続します。集まるメンバーの特徴をとらえ、毎日日誌をつけます。こうすると地域猫のコロニーが見えてきます。やがて野良猫も少しずつ心を許してくれるようになり、タッチングすることも不可能ではなくなります。
4.2週間も継続すると猫も慣れてきます。そうしたらコロニーを固定するため、捕まえて不妊手術をし、またもとの場所に戻す(=TNR)を行います。1日餌やりを中止した翌日、トラップを仕掛けます。TNRを伴わない餌やりは、やってくる猫の数を増やすだけで、少ない餌を巡って猫同士が対立するなど好ましくないことが発生します。
  • 捕まえて-不妊手術を行い-また元のところに戻す(TNR)

    TNRはtrap(つかまえて)-neuter(不妊手術を行い)-return(もとのところに戻す)の頭文字をとって名付けられている活動です。これは地域猫の集団を安定化させるための効果的で人道的な唯一の方法です。猫は人道的に捕獲され、動物病院で衛生的に不妊手術を実施され(場合によってはワクチン接種され)ます。

    その後、もし捕獲される猫が若かったり、社会化するに十分な温厚な猫であれば、愛情のある家庭に里子に出されます。健康な大人の猫も、ボランティアによって継続的なケアを提供している施設でしばらく飼育していくと、十分社会化できることがあり、こうした猫も譲渡会を通じて里親さんに巡り会うことができます。

    保護されることがストレスになるほど今の生活を謳歌している地域猫は耳の先端を桜の花びら型にカットされた「さくら猫」になり、またもとの住処に帰って行きます。「さくら猫」にするのは、すでに不妊手術を行った印です。ボランティアさんによって地域猫のメモリーがされていないときや、別の場所で暮らすことになった場合も、「さくら」印があると二度目の手術を受けることがありません。真の野良猫は社会化するのも難しく、飼育が可能になるわけではないので、彼らにTNRを行うのが一番良い方法です。

  • 捕まえて-不妊手術を行い-また元のところに戻す(TNR)

    野良猫写真

    TNRはメス猫だけでなく、オス猫にも実施し、コロニーの安定化をはかります。TNR活動が働くと、これ以上子猫が増えることはありませんが、効果はそれだけではありません。ホルモンに関連づけられたなわばり戦いなど、不要な行動と猫のストレスがなくなります。発情期の騒がしい鳴き声、けんか等の騒動が消失するわけです。そして猫の生活と健康は改善され、地域の猫人口が安定化し、時間の経過とともに減少します。

    TNR活動は、遊びに訪れる地域猫にとってこの地域が魅力的なままで、そして近所の住民ともうまくやっていくのに役立ちます。

  • TNRにあたって

    トラップを仕掛ける予定日をお知らせください。捕獲器は何もない状態での重さをあらかじめ計っておいてください。最大100g刻み、できれば50g刻みのはかりでお願いできると麻酔をかけられる猫にとって安全度が増します。捕獲にはできるだけ重さの関与しない食器を使用してください。しっかりした重さのあるステンレス食器を使用する場合は、食器の重さもお知らせください。中にタオルや板などを敷く必要はありませんが、捕獲器の中に入れる場合は、入れた物の重さも必ず測定しておいてください。

    猫が興奮しないよう、目隠し用の大きな布をご用意ください。布をかけた状態で病院にお連れください。麻酔覚醒後、捕獲器ではなく、大きめのケージに入れて休養をとらせたいので、身体を伸ばして寝られる位の大きさのケージの用意もお願いします。病院に用意もありますが、数に限りがあります。
    術後、里子に出す予定かどうか、耳の目印を作る必要性についてお知らせください。

    術後は十分温度管理された部屋で過ごし、しっかり覚醒するまで病院でお預かりします。お迎えは猫の入ったケージと空の捕獲器をお持ち帰りください。

    外部寄生虫がいる場合は駆除薬を使います。
    また、術後は抗菌薬等を投与する必要はありません。

    捕獲器や大きめのゲージの持ち合わせがない場合、貸し出しも行っています。お気軽にお伝えください。

TNRの不妊手術に関して詳しくはお電話にてお受けしています。ご近所で増えすぎてしまった猫についてのご相談も受け付けています。ご遠慮なくお話しください。地域猫全体の平和を願う温かいあなたの愛情に感謝いたします。
  • 生まれて間もない子猫を保護しました

    生まれて間もない小さな子猫を保護したときヒントになることを紹介しておきます。でもあなたが最高の努力を施しても、赤ちゃんは生き残ることができない場合もあるということを知っておいてください。それから、こうして最高の介護を施してくださるあなた自身を誇りに思ってください。

  • 1.まずは助けを求めましょう。

    動物病院に駆け込むといろいろなアドバイスを受けることができます。経験豊富なスタッフが食事(ミルクをボトルで与えるところから、離乳食まで)や育児環境について、現在の日齢にあうように伝えます。

  • 2.身体は冷たくありませんか。

    低温は子猫を簡単に死に導きます。汚れがあれば局所だけ洗い、すぐにしっかり乾かします。ペットボトルにお湯を入れて湯たんぽ代わりにしたり、保温マットのようなものがあればそれで暖を取ります。

  • 3.牛乳を与えてはいけません。

    子猫を見るとまず牛乳、という公式ができあがっているようですが、牛乳は子猫に下痢を起こさせます。下痢は低体温症、栄養不良を招き、健康な生育を大きく妨げる原因です。ペットショップで子猫用のリキッドミルクを求めてください。ほ乳瓶を使いますが、乳首の穴は猫の日齢にあわせてカットします。人肌に温めて与えます。日齢により哺乳間隔は3時間ごとに行わなければならない場合があります。ミルクは冷蔵庫で保管し、哺乳のたびに温め、飲み残しは廃棄します。全て衛生的に行います。ほ乳瓶から吸引できない場合はチューブ栄養という方法をとります。

  • 4.排泄の世話をしましょう。

    自力で排泄ができない子猫は排泄口を刺激し、排泄を補助します。うまく出せない場合は処置を施す必要があります。4週齢すぎから浅いトレーと細かい猫砂を使い、トイレトレーニングを始めます。

  • 5.寄生虫の駆除が必要です。

    身体にノミやハジラミなどの寄生虫を発見した場合は駆虫します。また早期に検便をし、回虫(やそのほかの内部寄生虫)の駆虫を行います。

  • 6.健康上の問題はありませんか。

    保護した子猫の目がつぶれているとか、目やにで顔が汚れているような場合はウィルス感染(上部気道炎)を発症している可能性があります。感染症は無視されるべきではありません。早期に治療する必要があります。

子猫の生育の目安になるもの

猫の体重と月齢の目安

月齢 おおよその体重
1日(生まれてすぐ) 100g前後
それから4週齢まで 1日10gくらいずつ増加する
1か月齢 400g~500g
2か月齢 500g~1000g
3か月齢 1.0kg~1.5kg
4か月齢 1.5kg~2.0kg
栄養状態が悪いと、月齢にふさわしい体重になっていない場合があります。体重から月齢を推定できるのは栄養のコンディションがよい個体だけです。
下記の表に示す目や耳、へそのを、歯、動きなどから推定しましょう。日本猫の標準体重は女の子で4.0kgくらいです。避妊手術をするのに好ましいのは6か月齢ころ、体重は2.5kg以上になってからです。

子猫に与えるミルクの分量と頻度の目安

日齢 1回量(ml) 1日量(ml) 頻度(○時間ごと)
1~10日 5~8ml 40~80ml 2~3時間おき
11~20日 8~12ml 60~80ml 3~4時間おき
21~30日 10~20ml 80~100ml 4~6時間おき

子猫の排便

・3~4週齢までは自力排便ができません。
・お尻を触って刺激し、排便を促します。
・触刺激で排便できない場合は最長3日で浣腸に来院してください。

子猫の成長・おおよその目安

日齢 様子
1日目 這いまわるだけ
3日目 へその緒が取れる
7日目 目が開く
耳道が開く
よちよち歩きをする
14日目 目が見え始める
21日目 目の色がキトンブルーから本来の色に変わる
自力排泄できるようになる
28日目 聴力がしっかりする
体温調節ができるようになる

乳歯の萌出

週齢・月齢 門歯(前歯) 犬歯(糸切り歯) 奥歯
2週齢 2本生え始める
3週齢 4本目
1か月齢 6本目 生え始める 出始める
1.5か月齢 さらに出る
2か月齢 そろう

永久歯の萌出

月齢 門歯(前歯) 犬歯(糸切り歯) 奥歯
3.5か月齢 1組くらい
4か月齢 2組くらい 出始める
4.5か月齢 ほぼ完了 さらに生える 生える
5か月齢 完了 さらに生えてくる
6か月齢 すべての歯が生え変わる
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